過去からのメール10――【5/3テオ 記す】2008-05-08 Thu 20:54
泣き崩れた俺が起き上がるのを待って、彼女と俺はいろんな話をした。
別れてから、俺と彼女が歩いた道のりを。 学園のこと、吸血鬼達のこと。 そして、別れる前の、学校でのこと。 「…強く、なりてぇ」 俺は気づくと、そう呟いていた。 話題は、直前に参加した依頼のことになっていた。 「何も…できなかった」 悔しさが、滲んだ。 アビリティがかわされ、戦闘になった直後には意識を失い。 そして、彼女の力にもなれなかった。 「償うために……生き残るための、強さが」 自分の無力さが、何よりも心に染みた。 「テオ君は、強いよ」 靂奈が俺の手を握った。 …俺が、ナナさんの手を握ったように。 「今のテオ君は、強いよ。 自分のことが、分かってるもの」 「でもっ!」 俺は思わず声を荒げた。 自分の素質による向き不向き、できることやできないことは少しぐらい分かり始めている。 今の実力が、どんなものかぐらい…。 「少なくとも、今のテオ君は、間違いを認められるぐらいに強いんだから。 目の前の強さを求めるだけじゃ、その強さを忘れちゃうよ?」 俺と同じ年の少女は、俺よりもずっと大人で、冷静だった。 俺は、彼女の強さに、息をのんだ。 「……悪ぃな。 お前に謝るはずが、お前に力づけられてばかりだ」 ……強くなりたい。 本当の意味で、もっともっと。 テーマ:Silver Rain - ジャンル:オンラインゲーム |
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