テオの銀の雨降る日々

 詳しくは<<はじめに>>をご参照ください。


紫刻館と吸血鬼-2――【6/27 テオ記す】

 二人と二体のサキュバス・キュアと共に、俺は紫刻館を彷徨う。
 表面では後輩としての態度を繕えても、胸の奥には何かが痞えている。

 その迷いは、能力者としての戦いに慣れない彼らへのフォローを遅らせ。
 そして。

「先輩!?」
 目の前で貴種ヴァンパイアの彼は倒れた。


 ……その時になって、やっと。


 俺はただ無心に走り、先輩を手に掛けた、目の前の敵を串刺しにした。





 倒れた彼をサキュバスが支える。従属種ヴァンパイアの彼女も、不安そうに見つめている。
「大丈夫ですかっ!?」
 俺は慌てて脈を確認し、傷の具合を確認する。

 ……大丈夫だ。
 傷つき過ぎただけで、重症にもなっていない。


 俺は安堵し――相手を心から心配できる自分にようやく気づいた。


「帰りましょう。
 先輩を手当てできる場所に行きたいから」
 俺はそう言うと、直ぐに玄関に向かい始める。


 ――今なら。
 『彼らは仲間』だと、俺は迷いなく言い切れるから。
 
 

テーマ:Silver Rain - ジャンル:オンラインゲーム

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