テオの銀の雨降る日々

 詳しくは<<はじめに>>をご参照ください。


紫刻館と吸血鬼-1――【6/27 テオ記す】

 神戸・紫刻館。別名を『死告館』。
 通いなれたその場所で、俺は二人の能力者と待ち合わせをしていた。

 学園でも最も有名な貴種ヴァンパイアと従属種ヴァンパイアの二人だ。
「今日はありがとうございます」
 二人に頭を下げると、俺は玄関を開ける。



 吸血鬼達のことを考えるとき、俺は自分の感情を持て余す。

 後ろめたさ、罪悪感、戸惑い―――そして僅かな逆恨み。

 そう、俺の中にはまだ僅かに『逆恨み』がある。
 理性では『彼らも捻子蟲の被害者だ』と理解しつつも――いや、だからこそ『自分たち家族を、勝手に一族のトラブルに巻き込んだ』と思ってしまう。
 あのまま、自分がクルースニクだということも知らずに、両親と暮らせていたはずなのに――と。

 捻子があろうと無かろうと、誰かに苦しみを押しつけてしまうのは、自分の性であり業なのかもしれない。

 そのことに気づいた時、俺は自嘲した。
 ああ、洗脳を解かれた直後からまったく俺は成長していないのか。

『これじゃ、エレイン達と変わらないじゃないか』
 ああ、ほんとに自分は最低だ。

 そんな最低な自分をなんとかしたいから――俺は荒療治をおのれに課すことにした。

テーマ:Silver Rain - ジャンル:オンラインゲーム

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