プレイング【<華爛漫> 流れる小川、舞う桜花】2008-03-31 Mon 20:53
4月1日朝7時までにお知らせくだされば修正可能です。
ご指摘や修正してほしい場所がある方はお知らせください。 プレイングでの、テオへの多少の弄りなら喜んで受け入れます。
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背後の初戦争とBGM2008-03-29 Sat 16:06
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戦術・戦略勉強会? ――【3/28 テオ記す】2008-03-28 Fri 22:20
「…あ、頭が痛ぇ…」
「羅久井先輩オリジナル・ブレンドのハーブティが入りましたよ。 はい、どうぞ」 「幻君、俺も…」 俺と幻はポジション結社を途中で抜けると、俺達の下宿に戻っていた。 同じく結社を途中で抜けてきた勇介がやってくる。 春休みだけあって、結社内に泊まり込むつもりの先輩も多かった。 だが俺達は気力温存のため、自分のベッドに戻ることにしていた。 「…そっちは大変みたいですね」 「うーん。『ラストスタンド』の効果も役割も、戦術・戦略に直結してるからな。 そのあたりになると、頭がパンクすんぜ」 …い、今、思い出しても頭が…。 「俺、アンケート用紙の印刷でやっちゃったよ…」 勇介が地の底まで凹んだ声で言う。 「アンケート用紙の原稿で、二度も間違った…。 それも、二度とも輪転機が回った後に、間違いが発覚した……」 なんだか、こいつも大変だな。 「まぁ、メディックは気持ち、楽だよ。 こっちは救護班だから、考えることは多いけれど、戦略的な部分はあんまり関係ない。 ひょっとしたら、こっちこそ幻君向きだったんじゃない? 現場ではお茶とかを配れるよ」 「……勇介君、私のことを『お茶さえ配れれば満足』とか思っていませんか?」 「「思ってる」」 奇しくも俺と勇介の声が唱和する。 「まぁ、否定はいたしませんが」 「「否定しなよ」」 「とりあえず、差し入れは貰って行ったよ。マカロンは好評だった」 「常連先の茶葉専門店のマカロンですからね。お茶にはぴったりでしょうね」 そう言って、幻はハーブティを一口啜った。 「キャスターの方も、ラストスタンドと大幅に変わることはありませんね。 ただ、結社の方と、先輩のおかげでなんとか全てのアビリティは覚えられました。 少しは戦えそうです」 そして幻は傍らのミージュを見つめた。 「ミージュには、少し申し訳ありませんが…」 ミージュは通常のモーラットに退化していた。 ゴーストを使役することは、使い手に少なからぬ負担を与える。 今回、その負担が致命的になりかねないということを考え、幻は苦渋の決断を下したのだ。 「あ、勇介。おまえの伝言、伝えといたから」 「ありがと、テオ君。すっごく助かる」 「…俺は、やっぱり後衛で頑張る。 前衛には限界がある」 黙示録とBCの結果を思い出し、俺は横に振った。 今回参加した理由には、実践訓練と同時に『前衛としての模擬戦闘』というのもあったのだ。 結果は…。 「凌駕が発動するのは早かったよ。 先輩達の火力ですら持ちこたえられないなら、後衛で行くしかない」 『ラストスタンド』結社での議事録コピーを読み返す。 「治癒を拒絶する『クロストリガー』も危険すぎる。 『フレイムキャノン』を、最大火力で叩き込む。 鬼に当てんのは難しいけど……くだ狐とゴーストには当てられる」 俺は自分に再確認する。 「頑張って、皆」 勇介が頷く。 「最悪の自体には、俺達メディックも最終防衛線での撤退に参加するから」 「テオ君、無理はしないで下さいね」 幻が俺を見据える。 「生命賛歌にも限界があります。 …絶対に、無理はしないで」 「信頼ないな」 「テオ君は、負けず嫌いだもん」 勇介が幻の援護に回る。 「それに…どっか、生き急いでる。 だから、俺はメディックになったんだ。…君を救護するためにね」 言い返す言葉が、出なかった。 「帰る場所がある人間を、命がけで守りたいという気持ちがあるのはわかります。 でもあなたにも…、居場所があるんです。 それを忘れないで」 俺は彼らの言葉をかみしめ…頷いた。 テーマ:Silver Rain - ジャンル:オンラインゲーム |
テオの初バストアップ・イラスト2008-03-27 Thu 21:02
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イベントシナリオ、2本帰ってきました。2008-03-25 Tue 20:47
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報告書【氷炎の狼 テーオドリヒ・キムラ】-042008-03-24 Mon 22:27
【III-i】
「あいつだけは――ほんとに両親を吸血鬼に殺されたらしい」 能力者達は、洗脳を解かれ、落ち着いたはずの人狼騎士を訪ねた。 騎士は彼らに、思いがけない言葉をかけた。 「実際、彼の両親は死体で見つかっている」 「うそ…」 能力者の一人が、絶句する。 「見つかっている、って…」 「私はある吸血鬼を追っていた。 その途中で、現場検証をしている光景を見つけた」 雨中のことだった。 『同僚を殺された』といきり立つ警察官の近くで、犬が――いや、首輪をした狼が震えていたのを彼は見つけた。 その狼は、震えながらも事件現場を睨みつけていたという。 彼はその狼を保護した後、自分たちのキャンプで事情を聴いたのだという。 「俺は、あの吸血鬼だけは許さない。 テオも同じだろう」 暗い瞳をしながら、彼は言う。 そこで、彼の洗脳解除を担当していた別働班が間に入った。 これから彼には、人間との友好関係を築かなくてはいけないのだから。 「…ありがとうございました」 彼らは頭を下げ、そこを離れた。 テーマ:Silver Rain - ジャンル:オンラインゲーム |
背後の初戦争2008-03-23 Sun 21:18
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ゆきやなぎ(3/3)――【3/20 テオ記す】2008-03-23 Sun 20:46
ゆきやなぎは、確かに咲き誇っていた。
そこは確かに山の奥に隠された、小さな秘境だった。 白い花が溢れるように咲き乱れ、滝のようにしな垂れて。 そして、先輩達が挿し木したものも、ちゃんと根付いている。 「私もいいですか」 「ほら」 俺達はオペラグラスを回し、崖下の様子を観察した。 そしてコップを『7つ』、用意する。 4つは俺、幻、勇介、ミージュの分。そして。 「いちばんいい緑茶、用意しました」 幻がポットから、崖側の3つに茶を注ぐ。 花の香りを殺さないように。そう言いながら、幻はシンプルな緑茶をポットに詰めてきたのだ。 「俺と勇介とで、握ってきたんだ」 やや不格好なおにぎりを、そっと供える。 「なぁ、見えるか? あんた達が心を残して逝った花は、また咲いたよ」 先輩達と一緒に『送った』少女と夫婦に、俺はそっと語りかける。 「遺されたものは、大切にする」 せめてあんた達が、新しい居場所で安らげるように。 それが追悼として正しいものなのか、分からないけれど。 「私達は忘れません」 「俺も、この光景は忘れられないよ」 幻と勇介も、手向けの言葉を口にする。その様子を、ミージュが不思議そうに眺めている。 「だからせめて――向こうで見守っていてくれ。この地を」 テーマ:Silver Rain - ジャンル:オンラインゲーム |
ゆきやなぎ(2/3)――【3/20 テオ記す】2008-03-22 Sat 18:50
戦いの記憶が過り、俺の体が強張る。
その肩を、幻がそっと叩いた。 「あっちからだ」 勇介と言えば、崖の方に駆け寄り、無造作に覗き込む。 「咲いてるよ!」 「危ねぇから、こっちに戻ってこいよ」 勇介はにぃ…と笑って、立ち上がり、片足を持ち上げる。 …悪ふざけすんなら、ミージュをけしかけるぞ。こら。 「勇介君、昼ごはん抜きますよ?」 幻が笑顔のまま、呟く。 「って、ああ、ごめんっ!」 勇介は慌ててこちら側に走ってくる。 ぽかっ。 「痛いよ、テオ君っ」 「心配させんな、わざわざ」 俺が膨れると、勇介は半分は神妙そうに、半分は嬉しそうな顔をした。 …器用な奴。 「近づくなら人目を確認後、一応イグニッション推奨な」 「イグニッションするより、最初からロープを結んでおく方がいいですよ。 特に勇介君」 「そだな」 「ええーーっ」 「笑いながら抗議しても、説得力ねぇぞ。勇介」 楠の大木は、あれから変わらず立っていた。 俺達はそれぞれロープに体を結びつける。 そしてミージュを解放すると、崖近くにビニールシートを敷いた。 テーマ:Silver Rain - ジャンル:オンラインゲーム |
鬼の居場所――【3/21 テオ記す】2008-03-21 Fri 19:38
『大きめのノートがあった。』
……読み進めるほどに、強い吐き気がした。 報告書のコピー、そのものが、おぞましく感じた。 かたん、かたかたかた……。 ティーカップを掴む幻の手が、小刻みに震える。 彼の眼の前にも、同じく『陰陽計画本拠地発見』の報告書がある。 普通に暮らしていた人々が、ある日突然、狂気とともに『人でなくなる』。 こんなことって…。 「こんなことって、ないです…」 幻が小さく呟く。 俺は幻の入れたルイボス茶を一気に煽った。 ……喉が湿った気がしない。 「……許せねぇよ、こんなこと」 「テオ君は…戦うんですか?」 「ああ」 銀誓館での戦争は、初めてだ。 まだその決まりも、よく分かっていない。 …だけど…。 「幻は、どうする?」 「分からない、分からないよ。 『ボク』、まだ死にたくない!」 彼はそう言ってうずくまった。 「……幻、お前は死なない。大丈夫だ。 不安なら、炊き出し班にでもいればいいんだからさ」 俺は幻の肩をそっと叩くと、今度は作戦の概要書を読み始めた。 参考:『狂鬼動乱〜そして、真実はあまりに儚く』 テーマ:Silver Rain - ジャンル:オンラインゲーム |
ゆきやなぎ(1/3)――【3/20 テオ記す】2008-03-20 Thu 15:40
春分の日。
春が始まる、その区切りの日に、俺達は再びあの地を訪れていた。 「テオ君、まだ早いんじゃないの…?」 勇介が息を切らしながらそう呟く。 「う……」 確かに、その日の名前とは裏腹に、まだ冬の匂いが残っていた。 山に踏み入るほど、春の訪れは遅くなるからだ。 「い、いや! 調べたらこの時期に咲くのは間違いないんだ!」 「……負けず嫌いも程ほどにした方が……。 さもないと自滅しますよ」 幻の苦笑混じりのツッコミが、耳に痛い。 「と、とにかく行くぜ」 山歩き初心者で、体力も無い勇介と。 体力はあるけど、体を使うことが苦手な幻と。 そんな二人をフォローしつつ、俺はゆっくりと登って行った。 ![]() 春の匂いは、だけど確かにこの地にやってきていた。 刺すような冷たさだった風も、心なしか柔らかになっていて。 葉ずれの音も、鳥たちの声も、かすかに増えている。 小さな虫が、近くを通っているのが見える。 そして、湿った雲が無くなり、明るい日差しが、空から差し込む。 春の――命の匂いが、辺りに漂い始めている。 「…テオ君は山登りに慣れてるね」 「俺、数か月ほど騎士団にいたからさ。 六甲山の山の中で、キャンプしてたんだぜ」 まあ、六甲山は人工の山だから、ここのような自然の山とは少し違うんだけどな。 「なるほどねぇ」 「それに、ここ最近、山登りの依頼が続いてたし」 「その最初の依頼が、ここなんですね」 「そゆこと」 その時、俺達の鼻先を、花の香りが過って行った。 テーマ:Silver Rain - ジャンル:オンラインゲーム |
プレイング『円花の誕生日〜紅茶とケーキと萌えに満たされて……』2008-03-19 Wed 18:19
以下は稲垣幻のプレイングです。
……『意趣返し』も何も、幻が勝手に自滅しただけなんですけどね(苦笑)。 これぐらいのハプニングならば、コミックマスターの彼女にもプレゼントにもなるでしょうか。 桜に続き、白桃の『ティーハニー』を小道具にさせていただいています。 紅茶に加えても、スコーンにつけても美味しく頂ける蜂蜜です。 (いつも参考にしている茶葉専門店のサイトのリンクを、隅に追加しました。詳しくはそちらに) テーマ:Silver Rain - ジャンル:オンラインゲーム |
紅茶とボランティア――【3/18 幻記す】2008-03-18 Tue 20:30
3月18日、朝5時。
私は一つしかない薬缶と、ポット二種(通常のティーポットと、耐熱ガラスポット)をフル活動させていた。 今日は河川敷のゴミ拾いの日だ。私とテオ君はその手伝いに行くことになっていた。 昨日は『そのあと、雪柳を見に行こう』とか言ってたけど。 その彼は、ベッドの中でミージュを抱きながら熟眠している。 …依頼の疲れ、まだ抜けてなさそうだ。 この様子だと、山登りはまた今度だね。 一方の自分といえば、完全に意識が冴えていた。 『早朝』起きは慣れてる。『エキストラ』のために何度も起きてるから。 ![]() 物心ついた時から学園に入るまで、私は姉に早朝から叩き起こされていた。 『アイドル』『イケメン俳優』好きの姉さんは、なぜか私を道連れに『エキストラ』参加を繰り返した。 いつも目当ての人は、望遠鏡がいるような距離にしかいないのに。 未だに夢に見る、エキストラのエピソードはいくつもある。 歴代史上、最多イケメン数を誇った『仮○ライダー』シリーズの、『耐久長時間ロケ』のエキストラ。 最初は私も楽しかったけど、最後の方はほとんど眠ってた。 「『子供爆弾』撤去のため、あの子をさらって来なさい!」 とか言われ、『出演者に近付く子供』を、横合いから引きずらされたこと。 (『子供爆弾』というのは、“子供を出汁に芸能人に近付く”という、有名なマナー違反方法……らしい) あの子供の親の般若顔だけは、未だに悪夢だ。 真夏に撮影する『真冬の災害避難所ロケ』では、姉さんの用意したスポーツ飲料をいくつも飲んでたっけ。 そんな時、いつでも姉さんは『紅茶の入った保温ポットと蜂蜜』だけは持ち歩いていた。 ぐずる自分や周りの人に、いつもそれを手渡し、「あと少しだから」と励ましてくれた。 ![]() 「『エキストラ』も、ボランティアの一種だから……か」 姉さんの言葉を思い出しながらも、私は紅茶を保温ポットに詰めていく。 正確には『紅茶』じゃなく、緑茶だろう。 『桜の葉と緑茶を混ぜたものに、僅かに紅茶を混ぜたもの』だから。 立ち上る湯気は、一足早い桜の香りを伝えてくる。 あの時、“香りと糖分が私の疲れを癒してくれた”ように。 このお茶が、参加者の皆の疲れを癒してくれるといいのだけれど。 テーマ:Silver Rain - ジャンル:オンラインゲーム |
テオの帰宅。2008-03-17 Mon 22:21
今日の朝、『いらず峰』からテオが帰ってまいりました(ぱちぱち)。
参加者の皆さま、MS両名様、お疲れ様でした。 テーマ:Silver Rain - ジャンル:オンラインゲーム |
花、開いて――【3/17 テオ記す】2008-03-17 Mon 21:26
湯を注ぐと、黒っぽい球体は耐熱ガラスカップの中で綻び――色とりどりの花を咲かせた。
「うわあ…」 「きゅう?!」 俺は思わず息を飲んだ。 隣でミージュも驚いている。 「中国茶の中でも、特に趣向を凝らしたものがこの『工芸茶』です。 目で楽しみ、香りで楽しみ、味で楽しむ。 最もドラマティックなお茶ですね」 幻がにっこりとほほ笑む。 「こちらは菊、蝋梅、千日紅が含まれているようです」 説明書を確認する幻のナレーションとともに、一口啜ってみる。 味も香りも品があり、とても落ち着く。 「うん、うまいな」 「頂き物なんです」 そう言って幻がうれしそうに頷く。 …ああ、そう言うことか。 ほんとに二人してお世話になりっぱなしだな。 それから俺達は、いろいろなことを話した。 俺が最近行ってきた、『いらず峰』のこと。 幻が参加した、ハーブティ・パーティのこと。 今日の『結社の先輩達の黙示録』を観戦したこと。 幻がしでかした、二つのミス。 話も一息ついた頃、説明書を受け取る。そこに書かれた結社名に、俺は一つ思い出した。 「…あ、ここの結社長さん、会ったことがある」 「いつ?」 「ほら、俺の初めての依頼でさ。 ご一緒させてもらったんだ」 俺はふと、あの依頼に想いを馳せた。 ああ。そういえばもうすぐだな。 「…幻。明日辺り、出かけないか?」 「出かける?」 「勇介も誘って、山登りにさ」 あの『ゆきやなぎ』は、咲いているだろうか。 テーマ:Silver Rain - ジャンル:オンラインゲーム |
報告書【氷炎の狼 テーオドリヒ・キムラ】-032008-03-16 Sun 20:35
【II-ii】
「夢の中では、鬱蒼と茂る松並木と桜がその頭上と左右を覆っています。 また、テキ屋の屋台と、ビニールシートが並び、観光客もたくさんいます。この観光客は、言わば人影のようなもので、通り抜けることができます。 夢の中には、彼自身の姿はありません。 問題となる『ネジ蟲』は、川の半ばに刺さっています。 耳を澄ませば、歓声の中からこの蟲の声が聞こえてくるでしょう。 それを辿れば、すぐにたどり着けます」 彼女はやや眉根を寄せながらも、『ネジ蟲』と呼ばれる生物の外見的な特徴と、攻撃方法を淡々と説明していく。 大まかには、大工道具の『ネジ』とは変わらず、そこに目と触手がついていること。 範囲攻撃を得手とすること。 ですが、と彼女は顔を曇らせる。 「彼のネジ蟲を退治しても、それだけでは彼の洗脳は解けません」 「どうして? ネジ蟲が原因なんだろう」 「どうも、彼自身が『そう思い込みたがっている』部分があるようでして…」 「なんでそんな…」 予報士は悔しげに唇を噛み、だがすぐにまっすぐに能力者を見上げた。 「そこまでは、私の力が足りなくて分かりませんでした。 ですが、ヒントはなんとか分かりました」 そこで彼女は3つの指を立てる。 「ひとつは、彼の義理の両親について調べること。 ひとつは、6月ごろに彼を保護した騎士団から事情を聞くこと。その一人はもうすぐ、ネジ蟲の除去が終わるはずです。 そして残る一つは、彼の夢の中からその両親を探すことです」 「義理の両親を?」 「ええ。そこに答えがあるようです」 そして彼女は最後に、こう続けた。 「彼は本当に両親に愛されているようです。 どうか、ご両親のためにも、救ってあげてください」 テーマ:Silver Rain - ジャンル:オンラインゲーム |
報告書【氷炎の狼 テーオドリヒ・キムラ】-022008-03-15 Sat 21:44
【II-i】
「皆さん、集まってくださってありがとうございます」 飯嶋茉莉(小学生運命予報士)はそう言って頭を下げた。 つい最近覚醒したという彼女は、12歳にしては小さな背をぴんと張り、通るアルト(いっそ、テナーというべきか)の声で語りだす。 「先日の『人工島の戦い』は、皆さんの記憶に新しいことと思います。 相手側に立っていた人狼の皆さんの夢の中に、奇妙なものが埋め込まれています」 そこまでは能力者達も知っていた。 人狼騎士・エルザの夢の中で、『悪意の塊』を具現化させたような、おぞましい『生物』を発見された。 他の能力者達が、それを撃破したことは学園でも話題になっている。 「私達は『人狼と吸血鬼の戦争』の原因となった、この『ネジ蟲』を除去しなければならないようです」 これ以上、現状が壊れる危険因子はなんとしても排除しなくては。 彼女は堅い声で言う。 「今回皆さんに潜ってもらう夢の持ち主は、“氷炎の狼・テーオドリヒ・キムラ”君です」 彼女が見せた写真には、暗めの銀髪をした十歳前後の少年の姿があった。 「ああ、彼か」 人工島での戦いで見かけたらしい。能力者の一人が声を上げる。 細身の長剣を引き摺られるように無謀に振り回し、能力者の集団に臆することなく突っ込んでいた。 すぐに取り押さえられていたが、悪罵と敵意を尽きることなく相手にぶつけていた。 誇り高き人狼騎士にしては、少し違和感を感じたものだ。 「彼の夢の中は、満開の桜並木の下にある河原です」 「桜?」 驚いた声が上がる。名前も、外見も明らかに外国人なのに…? 「彼は日本人に養子として引き取られて育った、立派な日本育ちです」 つい一年前までは、自分が人狼であることすら自覚が無かったでしょう。そう茉莉は続ける。 ああ、それでか。 能力者達は、彼から感じる違和感の理由を悟り、納得した。 テーマ:Silver Rain - ジャンル:オンラインゲーム |
紅茶に潜む罠――【3/14 幻記す】2008-03-14 Fri 21:06
「山、外れた…」
予想外の点数に、私は茫然としていた。 総合得点292点(211位)。…まぁ、平均程度だろうか。 ちなみに、ルームメイトのテオ君は340点(38位)とのこと。 『半年失踪してたから、勉強ついていけねぇぇっ!!』 とかのたまってた人の点数だろうか。 そんな風に軽く黄昏ていた自分に、一枚のカードが手渡された。 「あれ、また案内状ですね」 この学校では、こんな風に誕生日の案内状が配られることが多い。 私は誕生日祝いらしい案内状を見、そこに書かれた『紅茶』の文字に心惹かれた。 「紅茶パーティですか。いいですね」 つい先日もハーブティ・パーティに参加したばかりだ。 依頼者は先輩――すごいお嬢様だ、と聞いたことがある。 その自宅ならば、建物も調度品も庭も、一見の価値があるだろう。 少なくとも、この微妙な点数に凹んでいるよりは、よっぽどいい気分転換になる。 私は出席の印に丸をつけた後で、案内状に小さく書かれた注意事項に気づいた。 ぴぴっぴぴっ。 その時、私の携帯電話――テオ君から譲ってもらった、詠唱銀入りのもの――にメールが入った。 『幻、頼む。 俺の分も『河川敷掃除』を申し込んでおいてくれ』 …テオ君からのメールに、私は目を白黒させた。 『花見』じゃなくって、その掃除を? 「あ、幻。一緒にそれ、出しとこか?」 首をかしげている自分に対し、クラスメイトが声を掛けてくる。彼も出欠届を出しに行くらしい。 「よろしいのですか? ではお願いします」 私は携帯電話から視線を外すと、ひとつ頷いた。 「ん。OK」 彼はすぐに走って行った。 そこで私は、さっきの注意事項に目を通した。 『身長150cm未満、もしくは12歳以下は半ズボン着用』 …半ズボン…? 「嘘ぉっ!?」 時、すでに遅く。 返答の手紙はすでに出された後だった。 テーマ:Silver Rain - ジャンル:オンラインゲーム |
プレイング【弥鶴の誕生日〜ゴミ拾い行こうぜ〜】2008-03-13 Thu 20:11
テオと幻のプレイングが完成しました。
それに合わせ、期間限定でセリフも変えています。 コメントは追記に(ネタばれ回避のため)。 ではまずはテオの方から。
次に、幻のプレイング。
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買い物帰りと掲示板――【3/12 幻記す】2008-03-12 Wed 20:41
私は大量の荷物を抱えて下宿先のマンションに帰ってきた。
両手に食い込む複数の紙袋には、それぞれ別の有名な茶葉専門店の名前が印刷されており。 そして残るショッピング・バッグには、メラニンスポンジや重曹、ハーブ用の肥料が詰め込まれている。 (余談になるけど。このバッグは姉がいつものごとく、 「私の大好きなアイドルが、CD発売と提携したブランド物だから! 売上貢献に協力しなさい!」 と押し付けてきた代物。 『白地に水色ハート』という、男が持つには抵抗のある柄が印象的) 基本的に、これが私の買い物の定番だ。 同じブレンドティーでも、専門店によって配合の割合が変わってくるのはよくあること。 だからいつも、茶葉を買う場所を梯子しているのだ。 メラニンスポンジや重曹も、茶器から茶ジミを落とすのには必須だ。 そこに最近、園芸用具も少ないながら加わった。 「…買いすぎましたかねぇ」 さすがに欲張り過ぎたことを後悔しながら、建物の中に入る。 私の視界に、見慣れた掲示板が入る。 「ん?」 そこに張り付けられた記事に、私は立ち止まった。 『――川河川敷、ゴミ拾いのお知らせ』 なんでも、桜で有名な河川敷で近くゴミ拾いがあるらしい。 参加してみるのも悪くないかな。 ゴミを拾った後の達成感を想像しつつ、私は一つ頷いた。 「あ、そうだ」 テオ君にも、河川敷のことを教えよう。 桜に思い入れのあるテオ君なら、花見に行くだろうから。 テーマ:Silver Rain - ジャンル:オンラインゲーム |
テオと幻を送り出して。2008-03-11 Tue 19:50
…なんだか、荷を下ろしたような、そんな感じです。
テオは今日の朝に、幻は昨日の夜に出発しました。 ちなみに帰宅予定はテオが18日、幻が17日です。 テーマ:Silver Rain - ジャンル:オンラインゲーム |
プレイング【いらず峰の邪神 〜禍つ水刃】2008-03-11 Tue 06:49
最終稿。
決め台詞は削り、姉弟への接し方を増やしました。 後、この場を借りて謝罪します。 相談の最初の頃、テオがピント外れなことばっかり言っててごめんなさい(汗)。 【心境】 姉弟は、絶対に送り届ける。 俺にはもう、親(居場所)はねぇけど、あいつらにはあるんだからさ。 …あいつらを守るのは、俺の贖罪。そして誓いだ。 【移動】 俺は後続組で、正規ルートを全力で急ぐ。 途中、橋から少しだけ離れた開けた場所に、キスリングを置いていく。 橋の麓側にある近くの木陰に隠れ、イグニッション後、待機。 双眼鏡で先行組や蛇の出現を観察、周囲に小さな声で知らせる。 【戦闘】 安寿香を抱えた先輩が見えなくなったら、木陰から飛び出し、散開。 俺は後衛。 蛇が射程範囲に近づいた時点で攻撃開始する。 小さな声で 「(姉弟に)手出しさせっかよ!」 先輩達の集中攻撃から外れた蛇から、『フレイムバインディング』で一匹づつ拘束を試みる。 鷹峰先輩の指示を中心に、攻撃対象を声掛け確認しあう。 アビリティや射撃時には、射線上に橋、もしくは先輩達の姿が無いよう、細心の注意を払う。 全部拘束、もしくはアビリティを使い切ったら、射撃で集中攻撃に参加。 【退治後】 まず、りょくろ先輩に携帯電話で連絡。 後、弟担当班にも電話連絡。 「…安寿香って人、保護したんだ」 合流ポイントを打ち合わせる。 その後、安寿香を連れて弟班と合流。 「御利益あるといいな」 二人には明るく振舞って元気づける。 別れた後、祈るように社の方角を見る。 「神様。 せめてあいつらの母親(居場所)だけは、守ってくれないかな。お願いだから」 ●アビリティ 術式 フレイムバインディング奥義 ◆◆◆ ×4 ●装備アイテム 武器: レベル25詠唱ガトリングガン 武器: 詠唱ガトリングガン 防具: 封印ミリタリー服 登山靴 ツールナイフ キスリング 携帯電話 双眼鏡 テーマ:Silver Rain - ジャンル:オンラインゲーム |
試験勉強と、確かな誓い――【3/10 テオ記す】2008-03-10 Mon 20:59
3月9日・スケジュール。
午前中:試験 昼休み:プール 午後 :試験 放課後:先輩達と相談 ――テオのシステム手帳より。 ![]() 「テオ君、勉強する気ありますか? このスケジュールで?」 幻がため息を吐きつつ、教科書を差し出してくる。 「…いや、あるって、ある!」 「まったく。とにかく、範囲を絞って教えますから」 教科書には、びっちりとマーカーが引かれていた。重要個所がフォローされているのだろう。 「悪ぃな。これ」 「たぶん、今の君には全範囲を網羅するのは無理ですからね。 明日の試験範囲はたぶんここです」 …なんだかんだと言いつつ、人の面倒を見てくれる幻には感謝しているが。 「…うぐっ」 一応、普通クラスに編入する前には、『来訪者専用クラス』での勉強もあったけど。 失踪してた期間の勉強を取り戻したかと言えば、かなり怪しい。 いや、『ゆとり教育』とか言っときながら、低学年に勉強を前倒しにする文科省が一番悪いんだ。 そうだ、そうに違いない。 「ここは…」 で、目の前の幻は比較的すらすらと教えてくれたりする。 ……訂正。 問題があるのは、俺の学力です。 ![]() 「…ところで、テオ君。聞きましたか?」 休憩時間に、幻が息を吐く。 「聞くって…」 幻の言葉から判断しようにも今日は、あまりにも多くのことがあり過ぎた。 鬼事件の進展、狂える吸血鬼の脱走…。 「亡くなったそうです、潜入捜査をしていた先輩の一人が」 「…聞いたよ」 幻は、『ラズベリー風味の緑茶・ルイボスティーのブレンド茶』を差し出しながら頷いた。 「頭では、『死ぬかも知れない』と分かっていても……辛いですね」 「……この学園にいるってことは、そう言うことなんだろう」 「怖いですよ。ここにいることが」 「幻」 「でも、俺達が戦わなければ、『世界結界』は消えるんだ。 俺達の、皆の居場所が、さ」 「……」 「俺の居場所は、『世界結界』があるからこそ守られてた。 そして、その綻びで消えた。 もう、これ以上、俺と同じことを繰り返したくないんだ」 それが、俺の贖罪だから。 「幻。お前は死なない。 そして、俺もだ。 そう信じろよ」 「そう……ですよね」 幻はゆっくりと頷くと、茶をすすった。 「がんばりましょう。未来のために。 そして、大切な人たちのために。 でも今は、これを飲み終わったら勉強ですよ」 テーマ:Silver Rain - ジャンル:オンラインゲーム |
報告書【氷炎の狼 テーオドリヒ・キムラ】-012008-03-09 Sun 17:49
【0】
銀誓館には、過去の依頼の結果報告を保存する場所がある。 報告書の数は膨大であり、内容も多岐に渡る。 銀誓館に所属する人狼は全員、かつて『ネジ虫』なる寄生物により洗脳を受けていた。 彼らは学院の能力者により、『依頼』という形式で洗脳を解かれたのだ。 つまり、人狼一人一人に『報告書』があるということだ。 ここで取り上げる一つの報告書もまた、多くの人の目につかぬまま解決・報告されたものである。 【注記: このカテゴリーで取り上げるのは、いわゆる非公式文…『偽シナリオ』です。 そのため、通常の依頼とは展開が異なる部分があります】 【I】 桜の花弁、舞う。 ひとつ、ひらりはらり。 またひとつ、ひらりはらり。 冷たくなった、その体へと。 『また、来ようね。 桜の時期に』 テーマ:Silver Rain - ジャンル:オンラインゲーム |
桜の香――【3/8 幻記す】2008-03-08 Sat 21:37
桜の花の塩漬けを瓶から取り出し、軽く塩を払う。
そこにお湯を注ぐと、軽く白濁した飲み物ができあがる。 桜の花が中央に浮かんだそれは、この時期にぴったりのお茶だろう。 広義では『ハーブティ』にもあたる。桜の花には花粉症などのアレルギーを緩快する作用があるらしいんだ。 「今日は以前に言っていた『桜茶』です」 その言葉に、テオは何故か神妙な顔をする。 「そっか。もう桜が近いんだな……」 「テオ君?」 「ん、いや、ちょっとさ……」 彼は言葉を濁しながら、湯飲み茶碗へと手を伸ばす。 そして一口、飲む。 「え?」 テオの頬を、一筋の涙が伝う。 「……旨いな、幻……。 すごく、いい香りだ……」 私は慌ててハンカチを差し出す。 「あ…」 彼はそこで、『自分が泣いていた』ことに気づいたらしい。 「あんがと」 彼はぽつりと言うと、涙を拭く。 「去年の花見のことを思い出してさ。 ほんと、懐かしい……」 彼は言葉に詰まったように、茶を啜る。 私は困ったように、ミージュと顔を見合わせる。 でも、すぐに私はミージュに『静かに』と頼むと、お茶の時間を再開した。 彼が『両親を想う』時間を、邪魔しないように。 テーマ:Silver Rain - ジャンル:オンラインゲーム |
勉強――【3/7 テオ記す】2008-03-07 Fri 20:43
「煮詰まってます?」
幻がミージュと一緒に覗き込む。 「…いや、二度目だからさ。 少しは余裕があるけど」 俺はシステム手帳に書き込みつつ、考えをまとめていく。 この手帳は、前回の依頼でもらったものだ。 すぐに考えがいっぱいになったりする自分には、かなり重宝している。 「ゴーストが発生したときは、携帯電話で連絡すりゃいいかな…?」 「ちょっと待って!」 幻が慌てた様子で止めに来る。 「どしたの?」 「テオ君、『霊障』って言葉を知っていますか?」 「れい、しょう?」 「オカルト用語です。 幽霊の近くだと、電化製品が動かなくなることがあることがあります。 これは現実にも、能力者によって確認されていることです」 「え…そなのか」 全然知らなかった。 「その様子だと、まだ知らないことがいっぱいあるようですね…」 幻はため息を吐くと、数部の資料の束を机の上に差し出す。 「これは以前に今岡先輩が予報した事件の報告書の一部です。 コピーの中で、参考になりそうな部分にチェック入れておきました」 「え、まさか、俺のために?」 「私自身の勉強にもなりますからね。 『情けは人の為ならず、己の為にするものである』ということですよ」 幻がにっこりと笑う。 こういう事をさらっと言えるってのが、すげぇと思う。 「うわ、マジサンキュ」 早速ページをめくり始める。 「…で、テオ君。 能力者としての勉強もいいのですが、こほん」 咳をする真似をして(口で言ってるだけだけど)、幻が切り出す。 「羅久井先輩も言っていましたが、10日からテストですよ。 普段の勉強、ちゃんとしてますか?」 「………………うぁぁぁぁぁぁぁっ!!! 忘れてたぁぁぁぁぁっ!!!」 テーマ:Silver Rain - ジャンル:オンラインゲーム |
Eine neue Stelle, um zu bleiben――【3/6 テオ記す】2008-03-06 Thu 20:40
部屋の中で、俺は銀のレイピアを見つめていた。
騎士団の先輩から託された剣。 今日、俺はその剣に、これまで使っていた長剣を加え、鍛えてきた。 「きゅうう?」 「…って、うわわっ」 がらんがらがら……! 頭にミージュ(幻の飼うモーラット)が乗っかり、俺の顔を逆さに覗き込む。驚いた俺は後ろにひっくり返った。 「何してるんですか、二人とも?」 幻がエプロンを片手に首を傾げる。 エプロンはさっき、『彼女』が俺経由で渡したものだ。幻は今度のティーパーティに着ていくつもりらしい。 「笑うなよ…」 頭をがしがしと掻きつつ、俺は起き上った。苦笑いしつつ、ミージュを掴んで顔の近くまで引き上げる。 「脅かすなよ、ミージュ」 「きゅううん」 ミージュはしおらしく手を前に合わせる。……こういう時、可愛らしいってのは武器だよな。 「分かったんなら、もういいよ」 手を離されると、ミージュは幻の方へ飛んでいく。 「剣、鍛えられたんですね」 「まぁな。 今日、依頼を受けてきた。 これは、その成功の『願掛け』も込めてさ」 俺は幻の前に剣を差し出した。 「銘は『Eine neue Stelle, um zu bleiben』。 独逸語で『新しい居場所』っていう意味だ」 「ああ、ここ数日の翻訳サイト巡りはその為ですか?」 「だって独逸語分かんねぇし」 「その顔で言うと、説得力はありませんよ」 「あのさ。 俺、容姿と名前は外国人でも、育ちは日本」 「ふふ、そうでしたね」 それまで俺を見てくすくす笑っていた幻が、ふと真顔になった。 「…『新しい居場所』ですか」 「ああ。 いろいろ迷ったけど、結局これにしたんだ」 『誰か』の居場所を守れるように。 『誰か』を新しい場所へと、送り出せるように。 そして――俺自身の新しい居場所を、守れるように。 この銘は覚悟。 この銘は誓い。 この銘は願い。 この銘は救い。 「次の依頼、成功させてくださいね」 「ああ、もちろんさ」 テーマ:Silver Rain - ジャンル:オンラインゲーム |
バトルカーニバルと、帰還者達――【3/5 テオ記す】2008-03-05 Wed 21:31
「で、テオ君。
今回の反省は?」 休憩時間に俺を教室の隅に呼び出した勇介は、小声でいきなりそう切り出した。 今日の『バトルカーニバル』のことだ。 俺はすぐにぴんときた。 …どうも俺は考えていることが顔に出やすいらしい。それを勇介は見かねたらしい。 俺は溜息をついた後、やはり小声で答えた。 「…連戦を前提にして出し惜しみしたこと」 …前回、『相手の使役』に自分のバインディングが利かなかったことがプチ・トラウマになってたのは事実だ。 そこで、軽いアビリティ不審になっていた。 また、『BC中はアビリティが回復しない』という注意書きにビビったのも事実であり。 「あのさ、テオ君。 術式のバインディングが苦手なら、気迫のアビリティをたくさん使えばいいじゃん?」 「……」 穴掘って隠れたい。 いや、すでに掘られた墓穴に飛び込むのが先か。 「その様子だと、『存在ごと』本気で忘れてたの?」 図星である。 「……やっちまった……」 自分、要勉強だな。 「ま、次回に取り戻せばいいじゃん。 なんなら、今度はテオ君がチーム立てちゃえば」 「…考えちゃいるけどさ…」 「もう。そんなに凹んでたら、誘ってくれた先輩に返って失礼じゃん」 「……そうだな」 ぱんっ。 俺は自分の頬を叩くと、気持ちを切り替えることをする。 そして、位置を移動して窓の外へと視線を移した。 「おい、勇介。あれ…」 まばらに学校に向かってくる生徒数名が、そこから伺える。 その数もいつもより、多い。 「ひょっとして、『例の』…」 『鬼依頼』に向かった人達! 「でも、数が少なくない?」 勇介の言葉に、俺は弾かれるように廊下へ飛び出す。 「テオ君! 授業!」 「すぐ戻っから!」 …『彼女』は、無事なのか? 騒ぐ胸を無理やり沈め、俺はげた箱へと走る。 …良かった。 その中に『彼女』の姿を見つけ、そのまま座り込みそうになるのを堪える。 俺は、そっと先に戻ることにした。 テーマ:Silver Rain - ジャンル:オンラインゲーム |
レモングラス ――【3/4 幻記す】2008-03-04 Tue 19:17
窓際にある小さなテラスに、私はその鉢植えを置いた。
「また、部屋の仲間が増えましたね」 ミージュにほほ笑むと、彼女は不思議そうに啼き、鉢植えを突こうとする。 「こらこら。大切にしませんと」 私はミージュを抱き上げた。 詠唱銀により生命力が増えているとはいえ、やはり植物なんだ。ちゃんと世話をしないと。 「ただいま」 ドアを開け、テオが入ってくる。 結社帰りだろう。 「ん、どしたんだ、それ?」 「レモングラスの鉢植えですよ。ハーブの一種です」 「ハーブ? ああ、いつもお茶に使ってる奴」 テオが荷物を下ろすのを見ながら、私もお茶の準備を始めた。 「頂いたんです」 私はティーカップやレシピ本などを先輩から頂いたことを話した。 「あの先輩らしい。 どれも幻にぴったりだな」 テオも、にっこりと笑う。 「ますます憧れてしまいますよ、私」 カップの柄にも、先輩の素敵な人柄が出ていた。 「ハーブというのは、広義では、薬効を持つ植物全てを指します。 そうすると、ほとんどの植物が含まれちゃうんですけど」 「そうなのか?」 「そうですね…」 首を傾げていると、ふとテオの写真立てが目に入った。 そこに映る『ハーブ』を見つける。 「桜の花も、そうですよ」 「え?」 今度こそテオが面食らう。 「桜の花から入れた桜茶も、ハーブティの一種ですね」 その様子に、私はくすくすと笑う。 「お前、ほんと生き生きしてんよな。お茶の話になると」 「だって好きですからね。 今度、桜茶も淹れますよ。 意外とおいしいんですよ?」 そう言いながらも、私はそっと鉢植えから葉っぱを数枚いただいた。 「でも今日は、レモングラスのハーブティにしましょう」 そして私はティーカップを三つ取り出した。 テーマ:Silver Rain - ジャンル:オンラインゲーム |
プレイング【悠人の誕生日〜香草薫るティーパーティー〜】2008-03-03 Mon 20:49
以下、『稲垣幻』のプレイングです。
コメントは後述です。
…はい、幻のお茶好きっぷりが炸裂です(苦笑)。 背後としてはむしろ幻の印象よりも、お茶会そのものをPC達が楽しんでいただく方が嬉しいかもしれません(←待て)。 皆が喜んでもらえれば、それが羅久井先輩へのプレゼントにもなりますからね。 私自身がお茶好きなので(今も『白桃の紅茶』などを飲んでいる)、このイベントはぜひ参加させていただきました。 さて、MS様がどう判定し、描写されるのか。とても楽しみです。 テーマ:Silver Rain - ジャンル:オンラインゲーム |
銀誓館プールの秘密――【3/2 テオ記す】2008-03-02 Sun 20:27
数日前、プールを見に行った時の光景を思い出す。
観客や選手の前、室内型プールの床が割れる。 そして、その下には広大な模擬戦用コロッセオが広がっていた。 ![]() 「テオ君、今度『黙示録』に参加するんですね」 幻が興味深そうに覗き込んでくる。 プールで行われる模擬戦は、その形式によって『黙示録』と『バトルカーニバル』の二つに分かれる。 「まぁな。 先輩が誘ってくれたんだ」 正直、誘ってもらえたときは嬉しかった。 依頼とは違い、純粋な訓練だ。楽しもうと思う。 「私も応援に行きますよ。 がんばってくださいね」 「サンキュ。 …うーん、武器やアビリティはどうすっかな?」 俺は頭をがしがしと掻いた。 これはほかの先輩達の作戦との兼ね合いもあるが、自分の最高火力を持っていくべきだよな…。 「考えるのも、訓練ですよ」 くすくすと笑いながら、幻が新しい紅茶を注ぐ。カモミール・ティーという、紅茶とハーブの混合茶らしい。 「今の銀誓館を取り巻く状況は、残念ながら不穏ですからね。 できる間に実力を上げておくべきでしょう」 「ああ」 陰陽師に、吸血鬼に、雪女に……土蜘蛛衆。そしてまだ見ぬ来訪者達。 不穏因子は山のようだ。 「それに」 幻が俺の懐の視線をやる。 「剣を鍛えるのも、まずは強くなってからでしょう? いい機会ですよ」 胸のカードの中の、剣を指して言う。 「そうだな」 付けるべき銘もまだ、ぼんやりとしか定まっていない剣。 だが、いつかその剣を、去って行った騎士団の先輩に掲げるためにも。 今は一歩一歩、強くなっていくしかないんだ。 テーマ:Silver Rain - ジャンル:オンラインゲーム |
スパイ小説好きの未来(後半)――【2/29 テオ記す】2008-03-01 Sat 15:39
(昨日の続き)
「じゃ、テオ君は将来スパイになるの?」 「…んー、そう思ってた頃もあっけど」 「テオ君なら欧米人の振りをしてもばれませんからね。 適役かもしれません」 納得したように幻が言う。 「どうだろな」 俺は苦笑いした。 「今は将来のことなんて考えてる余裕ねぇし」 ほんとに…いろんな事ばかりで、追いついていくのが精いっぱいだ。 「そうかもしんないけどさぁ。 今こそ、『なりたい』ものぐらい言っててもいーんじゃないの?」 「そうですよ」 「じゃ、そう言う幻は何になりたいんだよ」 「うーん、そうですね…。 絵でも描きながら、優雅な午後を…」 「ディレッタント(国潰し)への道をまっしぐらだな、おい」 「失礼ですね。ちゃんと別に仕事はもちますよ」 「…いや、だからその仕事の話をしてんだろ。 そっちを先に言えよ」 「あ」 「幻君、そこまで考えてなかったの?」 「図星かよ」 「じゃ、勇介は?」 「パイロットとか、アイドルとか、警察官とか…」 片手を折りつつ――いや今、片手を超えた――いっぱい職種を上げる。 「一つに決まってないのか」 「うん」 「なんだよ、それじゃ…」 「テオ君のこと、あまり言えませんね」 「うん」 俺たちは思わず顔を見合せて笑った。 今はまだ、将来なんて分からねぇけど。 せめて少しでも長く、皆と一緒にいられればいい。 …なんて思う自分は、夢がねぇかな。 テーマ:Silver Rain - ジャンル:オンラインゲーム |
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